ストーリー

IS(インターセクシャル)である音大出の青年・仲宗根慎之介。

 

音大を卒業したものの就職先が見つからず、実家になかなか帰れずにいた。

 

そんな中、寺院を営む実家の境内が火事に。

 

家族に合わせる顔がないまま呼び戻された。

 

焼け落ちたお堂は、町民の憩いの場として広く開放されており、修復は町全体の願いでもあった。


 

「おばちゃん、ほんとかなしい。仲宗根さんトコのお堂で、みんなで歌うんが生甲斐やったんに。ほんと、はよ直して。」
 

―――コーラスグループ所属の篠崎さん談―――


 

お堂の修復にあたるのは「伝説の宮大工」を擁する東海組。

 

しかし、その伝説の宮大工「東海稀一」は行方知れず。

 

年末師走に完成予定の修復工事は、遅々として進まずにいた。


 

「年末に完成なら、上棟式でなんか出しもんしたらどうだろか。
慎ちゃん、音大卒業しとるんやから、第九やって、第九!年末やし。」

 

―――町内会長談―――


 

上棟式で演奏する【ベートーヴェン作曲・交響曲 第九番 合唱】通称・第九の音楽監督に指名された慎之介。

 

しかし彼が率いるのは、オーケストラではなく地元の商店街の面々だった。

 

小料理屋の女将、天才パン職人・仲宗根治枝(姉)が所属する和太鼓チーム、オタクの電気屋と、完全にがめ煮状態。


 

「こ、これ!この人ら、クラシックと何の関係もないやん!ぼ、僕!無理です!」


 

しかし、そのがめ煮の中には慎之介の初恋の人(男)が。


 

「ぼ、あ!わ、私!やります!」
 

「やるんかい!」


 

……恋に音楽に性別に、頭をかかえる慎之介の前に現れたのは、火事の後、お堂の床下に住み着いた床下さん(姉命名)だった。


 

「床下からしか視えねえ景色があんのよ。
あんたには、あんたにしか視えねえ景色があんじゃないのかい?」


 

床下さん(姉命名)の言葉に突き動かされ、心を固める慎之介。

 

はたして第九の演奏は上手くいくのか……



この物語は

ミレニアムを控えた1999年世紀末

とある町で繰り広げられる


【愛のがめ煮】の物語

Copyright (C) 2018 DAIKU GASSHOW. All Rights Reserved.
※当サイトに掲載している写真及び動画等全ての著作物の二次使用を禁止いたします。